「彼も覚悟していたんじゃないかと…」
山口県光市の母子殺害事件で、男性被告(27)=事件当時(18)=に死刑判決が出たこと受け、遺族の本村洋さん(32)が22日、広島市内で記者会見し「遺族が求めていた判決を下してくれた広島高裁に感謝したい」と述べた。会見の詳報は以下の通り。
《本村さんは予定時間よりやや早めに記者会見場に到着。壇上で静かに目を閉じ、午後0時半の会見開始時間を待った》
−−死刑判決を受けて今の気持ちは
「9年の歳月がかかりましたが、遺族が求めていた死刑判決を下していただいた広島高裁に感謝しています。判決の内容を聞き、裁判所の見解は極めてまっとうだと思いますし、正しい判決が下されたと思っています。被害者遺族は司法に感謝し、被告は己の犯した罪に後悔して、社会が正義を再認識し、司法が威厳を保つことが民主主義であり、法治国家が維持されるものと考えますので、こうした判決に心から感謝しています」
《ここまでは比較的冷静に話していた本村さんだったが、質問が長女の夕夏(ゆうか)ちゃんのことに及ぶとやや涙ぐみ、言葉に詰まる場面も見られた》
−−5月11日の夕夏(ゆうか)ちゃんの誕生日に墓前に報告するのは予定どおりか。また墓前にかける言葉は
「できれば早く墓前に報告してあげたいと思いますので、誕生日を待つまでに時間があれば行きたいと思っています。気持ちの整理はできていないので今は(言葉は)ありませんけど、ひとつの区切りがついたと思っているので、判決の内容は伝えたい」
−−常に葛藤(かつとう)が続いてきたと思いますが、実際に判決を受け取って気持ちを
「決して喜ばしいことではない。厳粛な気持ちでこの判決を受け止めています。遺族としては満たされたのですが、社会にとってみれば事件をめぐり私の妻と娘、そして被告の3人の命が奪われることになるわけで、これは明らかに社会にとって不利益なことです。私はこの事件にあって、いわゆる刑法というものは社会正義を維持するための手段だと思っています。たいへん重い判決が出されましたが、それで終わるのではなくて、私たちもこの重い判決を受けて、今後の人生をまっとうに生きていかなければならないと思います。社会のみなさまにも、どうすれば犯罪も被害者も生まない、死刑という残虐な刑が下されない社会になるのか考える契機にならなければと思います。死刑の存廃が騒がれるようになるかもしれませんが、刑罰がどうすれば社会が安全で平和な環境を作れるか考える契機になることを願います」
−−今日の判決が出るまでに9年という月日が流れましたが
「長いか短いかというのは簡単に言えないのですが、遺族にとって9年は非常に長い。9年の時間をかけて熟慮に熟慮を重ねて出された判決ならばよりいっそうの重みが増すと思いますので、時が来てこの判決が言い渡されたんだと思います」
−−被告が傍聴席を向いて頭をさげましたが、その様子を見てどう思われたか
「私は今まで被告が退廷するまで見ないようにしていましたが、今日はずっと見ていました。あまり感情を読み取ることはできませんでしたけど、彼もどこかでこの判決を覚悟していたんじゃないかなと思うほど落ち着いていたという印象を受けました」
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